ライフサウンド オリジナル・MCカートリッジ
「アナログ再生の基本は正しいバランス再生が出来ること」という当たり前なことが、長年無視されて続けて来ました。殆どのアナログファンは誰も疑いません。一般的なステレオカートリッジの左右のバランスが崩れていることについて。
クラシックギターの演奏をしていたころ、レコードを使って音合わせをした時、そこに二つの音程があることに気が付きました。左チャンネルの音に合わせれば、右チャネルの音に合わない。その逆もまた同じでした。 当時は中学生。まさかカートリッジに問題があるとは知りませんでした。
それから年月が経ち、ZYX社に巡りありました。世界で只唯一ZYX社のカートリッジだけが、この問題をクリアしてくれています。これについては、ZYX社の説明を引用しながら解説します。
カートリッジの発電とその問題について
一般にカートリッジは、針先の形状、カンチレバー材質などの機械系の性能が注目されていますが、機械ー電気変換のトランスデューサですから、むしろ電気系の構成、性能に注視しなければなりません。オーディオ・システムにあって、最初の音声電気信号を発電するといった役割を持つことから、最重要なコンポーネントと言っても過言ではないでしょう。
カートリッジの発電系とは、再生針、カンチレバーでピックアップされたレコード音声を機械信号に対して、カンチレバーの振動速度に比例した電力を発生する部分をいいます。発電系の構成パーツは、カートリッジ本体に固定され、MC型の場合、発電コイル、コイルボビン、一対の磁気ヨーク、そしてマグネットとなっています。つまり一様な磁場内で、コイルが回転振動することによって起電流が発生する構成になっています。
これは丁度、レコードのカッティングシステムの逆の動作となります。
理論的には、カッティング行程と同質の変換システムで再生を行うわけですから、レコードに記録された音声信号を、そのまま発電出来なければなりません。
しかし、実際には、発電系には音の時間軸情報を乱す様々な弊害が働き、時間歪が生じ、記録された音声信号とはかけ離れた異質な再生音へと変化してしまいます。カンチレバーや、ダンパー等の機械パーツをいくら取り替えてもこの問題は解決しません。
左右の音質が異なるといった大抵のカートリッジにあった欠陥は、この時間歪によることが長い研究の結果判明しています。左右の周波数特性がフラットであっても、時間歪みにより高音域がより速く、また低音域がより遅れてレスポンスされると、高音に偏った明るくきつい音を発します。低音のボリューム過多の音はその逆になります。時間歪が無く、全帯域に亘り同時にレスポンスする音は、フラットなバランスで聴くことができるのです。発電系に発生するこの時間歪みを解消させることはアナログ盤に記録された音声信号を忠実に再生するために、避けて通ることはできない関門となります。
時間歪みを起こす原因について
ZYX社は徹底的にこの問題を探究しました。発電系に誘起する逆起電流、磁性材料の表面に発生する渦電流、そして、磁気回路を1つのループとして誘起する逆磁界、などが発電磁場に磁気的に働き、結果として発電音声信号のZ軸情報、即ち時間情報を乱す主因であっことが判明しました。
■その対策
長年の研究の結果、以下にある15項目の電気的条件が判明、そして、この中の1つの項目でも誤った設定を行うと、左右同等の音になり得ない事が確認されました。
発電系の条件設定項目
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マグネット磁極方向
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発電コイルの巻き方向
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左右チャンネルの発電コイルの配置方法*
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コイルボビンの磁気誘導電波対策*
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発電回路素子の磁気誘導電流対策
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発電回路内の磁気誘導電流対策*
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発電回路内の動的磁気誘導電流対策*
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コイル・ボビンの接地の可否とその方法*
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ヨーク材の接地の可否とその方法*
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マグネットの接地の可否とその方法*
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ターミナル端子配置方法
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カートリッジ外装素材(金属または非金属)
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カートリッジ外装の接地の可否とその方法
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カートリッジ外装とトーンアームとの接地の可否とその方法
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発電コイル線材の方向の設定
(*の項目は特許又は実用新案出願済み)
上記の項目の1つでも誤った設定を行うと、左右同等の音になり得ない事を確認しています。これはカートリッジを構成する同じパーツを使って、2の15乗(32,768)種類の音の異なるカートリッジを設計出来ることになります。
そして、その膨大な組合せの種類の中でただ一種の組合せ、15項目全てに正しい設定をされたカートリッジのみが時間歪みから完全に解放され、時間軸をストレートな応答性を得、左右全く等しい自然なサウンド・バランスを持ったステレオを再生する事ができます。
ユーザーが得られるメリット
真のステレオ再生を体験できることになります。左右のバランスの違う音を楽しむのも良いかもしれません。しかし、それは不健全なことではないでしょうか。左右で違うバランスを聴き続けたら、体に対しても相当の負担となることは自明の理であると思います。
21世紀のアナログ盤によるステレオ再生には、このライフサウンドのオリジナル・カートリッジが必須であることがご理解いただけることでしょう。ライフサンドのチューニング技術により、さらに、音楽性豊かで質量感も充実したアナログ再生を楽しんでいただけることになります。
【ライフサウンド オリジナルMCカートリッジ定格】
項目詳細
発電方式ムービング・コイル型/リアル・サウンド発電系
クライオ処理-195°C-320°CF
出力電圧0.24mV(0.48mV [3.54cm/sec.1kHz])
周波数特性10Hz-100KHz (+-1dB 20Hz-20kHz)
チェンネルセパレーション>30dB[1kHz]
チャンネルバランス<05dB[1kHz]
適正針圧2.0gm (使用針圧範囲 1.7gm-2.5gm)
コンプライアンス水平 15X10-6cm/dYne
垂直 12X10-6cm/dYne
トラッカビリティー(300Hz)>8μm/2.0gm
発電コイル線材無酸素銅
内部インピーダンス3Ω
カンチレバー素材ボロン・ロッド 直径 0.3mm
曲率半径、針先寿命3μmX60μm、>2000時間/2.0gm
出力端子直径1.25mm 金メッキ[EIA]
自重3.1gm(スケルトンボディ)
価格270,000円(税込)
針交換価格129,600円(税込)