固まりました。
- lifesound
- 6月14日
- 読了時間: 3分
昨晩から電源を入れ、約16時間の通電を経て、本日いよいよ試聴を開始しました。
最初の音が鳴った瞬間、店主は思わず固まってしまいました。
またまた、ELEVEN AUDIOにやられました。
以前試聴したP390もそうでしたが、このメーカーは一貫して同じことを語りかけてきます。
「音楽は楽しくあるべし」
ということを。
オーディオの世界では、技術やスペックが主役になってしまうことがあります。
しかしELEVEN AUDIOは違います。

まず前面に現れるのは音楽そのものです。
聴き手の心を動かし、演奏の喜びや躍動感を伝えることが最優先されています。
そして、その音楽表現を陰で支えている技術の高さが、後になってじわじわと理解できるのです。
技術を誇示するための技術ではなく、音楽再生を生かすための技術。
その思想が製品全体から伝わってきます。
Sagra DACが聴かせてくれた世界は、まさにデジタル時代におけるアナログ再生そのものでした。
音が音として存在するのではなく、音楽として自然に流れ出してくる。
演奏者の意図や感情が途切れることなく伝わってくる。
そんな再現性に、店主は大きな感動を覚えました。
Sagra DACという名前は、設計者がスペインのサグラダ・ファミリアから深い感銘を受けたことに由来すると聞いています。
壮大な建築物を目の前にした時、人は言葉を失います。
設計者がサグラダ・ファミリアを見て感動のあまり座り込んでしまったように、店主もまた、Sagra DACが目の前に描き出した音楽世界に言葉を失いました。
ただ音が良いという話ではありません。
そこには、命が宿った音楽がありました。
それは、その音楽の力に、店主はしばらく身動きができなかったのです。
そして、次に店主の心に浮かんだ言葉は、
「戻ってきた……」
でした。
店主が10代だった頃、日本のオーディオ界には独特の熱気がありました。
メーカー同士が切磋琢磨しながら、「どうすれば音楽をより感動的に再生できるのか」を真剣に追い求めていた時代です。
あるメーカーの技術者は、スピーカー開発の最終段階で何日も徹夜同然になりながら再生音を聴き続け、自らが「これで良い」と心から納得できるまでスピーカーと向き合ったと聞いたことがあります。
そこには効率やコストだけでは語れない、音楽に対する情熱と執念がありました。
Sagra DACから感じたのは、まさにその時代の香りでした。
もちろん、音楽再生は技術によって支えられています。
現代では、コストや効率を考えれば、高性能なDACチップを中心にシステムを構築するのが一般的な流れです。
それ自体は、決して間違いではありません。
しかしSagra DACは違いました。
自らが理想とする音楽表現を実現するために、あえて手間もコストもかかるディスクリートR-2R方式を選択する。
さらに電源部にも徹底してこだわる。
その姿勢からは、単なるスペック競争ではなく、
「どうすれば音楽がもっと人の心を動かせるのか」
という問いに真正面から向き合う開発者の姿が見えてきます。
それは店主に、かつての日本のオーディオ黄金時代を思い出させました。
20世紀、多くの技術者たちが情熱を注ぎ込みながら積み上げてきた音楽再生への探求。
その精神が21世紀に蘇り、新たな形となってユーザーへ感動を届けようとしている。
そんな使命感すら、このDACからは感じられるのです。
だからこそ店主は、
「戻ってきた」
と感じたのでしょう。
それは昔の音に戻ったという意味ではありません。
音楽を愛し、音楽の感動を届けたいという、オーディオ本来の精神が戻ってきたということなのです。
そして驚くことに、このSagra DACにはまだまだ興味深い機能が隠されているようです。
その話については、後日あらためて呟いてみたいと思います。
まずはもう少し、この音楽に浸っていたいと思います。



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