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夏休みの予定
今年はチューニング作業が数多くあり、試聴して頂ける時間が皆無となりました。
また長年リスニングルームを守ってくれたカーテンやソファが引退することになりました。
カーテンはスウェーデンのデザイナーが水面に映る光を表現したブルーをメインにしたもので、とても気に入っていたので気が付いたら25年も経ってしまいました。
音にも影響を与えているので簡単に交換することはしていませんでしたが、さすがに可哀相になってきたので引退してもらうことにしました。
それと同時に25年に渡り多くのお客様をおもてなししてくれたソファも引退したいと言ってきました。
このソファとの出会いは今でも鮮明に覚えています。都内の有名家具屋さんを訪問したのですが気に入ったものがなく、6か月から8か月ほど探したのですが、見つかりませんでた。ある日、第三京浜を走っていると、ある家具屋さんの配送車が走っていました。
その配送車には、その家具屋さんの宣伝が掲載されていて、「これは!」と感じたので
名前を記憶して、後日連絡をして場所が分かり訪問しました。
そこで待っていたのが今のソファです。
二重のクッションで座面や背もたれの皮が柔らかく、色も品のあるグリーンで直ぐに決めてしまいました。
導入してからあっと言う間に25年が経過しました様々な場面を一緒に経験しているので、家族のように思っていましたが、店主の手入れが悪く、座面やひじ掛けなど皮が痛んできました。(しかし今でもクッションは生きています。)
最近は座面の一部に切れが入り、あまりにも変わり果ててしまい、そこでソファーにカバーをしてみました。これも北欧風のデザインで妻と意見があったのです。
しかし、ソファは嫌がりました。このような状態になっても皮の衣装をまとっている自分にとっては屈辱だと。もう25年も付き合ったので引退したいと言ってきたのです。
ソファーカバーをしている時に店主の心に響いてきたソファの思いです。多くの音楽を聴き、様々な製品の試聴を共にしてきたので、どうも魂が宿っているようなのです。
さらに廃棄処分に出されることも嫌だというのです。あなたの手で解体して葬って欲しいと言ってくるのです。
この環境で過ごした沢山の思い出を持って地上を去りたいと。ゴミ扱いされることは絶対に嫌だとも言ってきました。
この響きを心に受けたとき店主は涙が溢れてきました。長年支えてくれたパートナーであるソファの気持ちを聞かされて。
そこで夏休みに店主の手で葬ることにしました。解体葬ということです。
さらに後任には新しいソファの指定をしてきたので、その通りにすることにしました。
店主も初めての経験なのでかなりショックを受けてしまいましたが、新しいチューニングが生まれて環境を変える必要もあったのでしょう。
カーテンやソファたちが、それを察してくれたのですね。
彼の長年の貢献に対して感謝の表現として新しい環境を受け入れることにしました。
ソファさん カーテンさん
ありがとうございました。