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響きの純度 ―― ピアノの宿命と、無垢板が奏でる「濁りなき真実」

  • lifesound
  • 2月28日
  • 読了時間: 3分


前回の記事では、スピーカーが置かれる空間と人との調和について触れました。今回は、その理想を実現するために店主が辿り着いた、響きの「純度」についてお話しします。


思えば若い頃から、私はピアノの音に対して、ある種の「クセ」や「濁り」を感じてきました。当時はなぜそう聴こえるのか判然としませんでしたが、今ならその理由がはっきりと分かります。


それは、ピアノという楽器が音を生み出す「巨大な構造」そのものに宿る宿命です。指が鍵盤を叩き、複雑なアクション機構を経てハンマーが弦を打つ。その振動は「駒」を伝わり、スプルースの「響板」を揺らします。


ここまでは純粋な楽器の動きですが、問題はその先です。20トンもの強大な張力を支えるために、外枠(リム)は何枚もの板を接着剤で固めた厚い「積層合板」で構築されています。



この巨大なメカニズムと接着層を通る際、音は反射と吸収を繰り返し、無垢板単板が持つ「突き抜けるような純度」や「素直な倍音」を、知らず知らずのうちに歪ませてしまうのです。


店主が様々な世界的な名器を含めて様々なクラシックギターを弾いていたからこそ、敏感に察知したあの「もどかしさ」の正体は、この「加工された響き」だったのです。特に、合板を使用されたクラシックギターには、もどかしさを通り越して辟易したものでした。



↑精密で特殊な「あられ組み」で構成された無垢のキャビネットです。一般的な「あられ組み」ではスピーカーキャビネットとしては使えません。接着剤の層を最小限に抑え、木材同士の素直な共鳴を優先しています。


一方、指先が直接弦に触れ、数ミリの「無垢の単板」がダイレクトに空気を震わせるギターや、いま私が手に取っているウクレレ。そこには接着層に邪魔されることのない、瞬時に空間を駆け抜ける「混じりけのない音」があります。


特にウクレレの、細い弦ゆえの鮮烈な立ち上がりと天に抜けるような高音の美しさは、音楽の生命力そのものです。この美しさは、時に高価なクラシックギターを簡単に超えてしまうのです。しかし、ウクレレにおいても合板が使用されていると、音に対する集中が損なわれてしまいます。もう触る気もしなくなります。



↑ウォールナット、ハードメープル、。異なる響きを持つ銘木たちが、一つの「楽器」として調和を奏でる事前の姿です。


この「純度」をオーディオで再現するために、フィデリティムサウンドがスピーカーキャビネットにウォールナットやメープルの無垢材を選び、内部配線にはライフサウンドが厳選した「銀メッキ銅単線」を採用しています。しかし、それだけでは足りません。


ライフサウンドでは、スピーカーの心臓部である「磁気回路」に対しても独自のチューニングを施しています。これにより、ユニットの動きが極限までストレスから解放され、微細な信号が濁りなく空間へ解き放たれます。


その結果、単に音が聴こえるのではなく、演奏会場の空気感がふわりと広がり、奏者の吐息やホールの静寂までもが手に取るように伝わる。まさに「空気そのものが音楽に変わる」ような体験が可能になるのです。


理想を貫くにはコストの壁もありますが、魂を揺らすために必要なことに一切の妥協はできません。無垢板が共鳴し、磨き抜かれた線材が血流となり、調律された磁気回路が鼓動する。そのとき初めて、日頃のストレスから解き放たれ、心が真の自由を迎えることができるのです。

「情報を暴き出す機械」ではなく、「魂を癒やすための楽器」。 この確信とともに、皆様に感動のあるミュージックライフを過ごして頂けるようにサポートしたいと願っています。




 
 
 

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明日は茨城へ出張しますのでお店はお休みさせていただきます。 よろしくお願いします。 店主

 
 
 

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