ライフサウンドチューニング ATOLL IN100 SE
今回の新しいライフサウンドチューニングを体験して頂いたHさんからご感想を頂きました。
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今回追加でライフサウンドチューニングで調整されたATOLL IN100 seは、強力な電源部が特徴の一つで(実際に電源トランス部がすごく重い)、その電源とMOS-FETによる、明るく、力強く、それでいて決して重くならないサウンドトーンが心地よいい。このアンプに同じATOLLの DAC200を組み合わせて、アナログの他に、CECのCDトランスポーターでのCD再生、MacMiniからiTunes+Audirvanaからのデジタル音源の再生、同じMacMiniをAirPlayレシーバーにするアプリを利用して、手元のiPadからApple Musicのワイアレス再生で音楽を聴いている。
新しいライフサウンドチューニングを終えたATOLL IN100 seが戻って来たので早速セットアップして、まずはいつも仕事のBGMにしているApple Musicで、Miles Davis の TUTU を再生してみた。一聴して、音が立ち上がりがさらに良くなったのがわかる。ドラムのキック、ベースのチョッパー、マイルスのトランペットの最初の音のタイミングがいい。音楽のリズムの立て線がキレイに揃って、躍動感が高まっている。
MacMiniでB&Wのライブラリからダウンロードしたデジタル音源を再生してみよう。英国の新進ジャズユニットPortico Quartetのライブアルバムでは、立ち上がり良さに加えて、低音の伸びが良くなり、サウンドスケープが正確に再現できることで、音像の奥行きや幅も広がり、より一層表現力が上がっていることがわかる。ただそれは、思わせぶりなものではなく、その音楽が本来持っていたものを活き活きと再生してみせてくれる。「音」でなく「音楽が活きている」とでも言うべきか。なのでボリュームを上げていっても、ウルサイ感じにならない。心地良いバイブレーションが伝わってくる。
次は、CDトランスポーターで、ギター用に編曲された「ゴールドベルク変奏曲」を聴いてみる。グールドは言うまでもなく、いろんな「ゴールドベルク変奏曲」があるが、このハンガリー出身のギタリストのクラシックギターだけの多重録音は、教会と思われる自然なエコーが魅力で、冒頭のアリアの透明度のあるギターの一音一音が立ち上がり、滲むことなくまっすぐ消えていく。部屋の空気まで録音した場所と同じようになっていくようで、こうした音楽体験は、ライフサウンドチューニングならではのものだろう。
当然、アナログでもこの魅力は変わらない。むしろアナログが一番ライフサウンドチューニングの効果を感じることがある。ATOLLのアンプは最新の録音を見事に鳴らすだけのものではなく、60年代、70年代の音楽もさらに魅力的に生成してくれる、音楽が分かっているアンプだ。 このECMのアルバムも、もう40年以上一緒に過ごしている。ここに納めされた音楽に、ノスタルジアではなく聴くたびに新たな気づきをもたらしてくれる。「音楽を聴く」というエクスペリエンス(体験)をより豊かなものとしてくれているのだ。