クリスタルチューニングその14
SACD200へのクリスタルチューニングの結果が素晴らしいことは既に書きました。しかし、それが本物かどうなのか?それを店主の思い込みなのか、それとも真実なのか?
それを確認するためにクラシックギターの演奏を聴いてみることにしました。
何故、クラシックギター曲なのか?
古くからライフサウンドを御存知の方二はお分かりのことと思いますが、最近、ライフサウンドを知られた方のために少々説明を。
店主は14歳の頃から25歳ぐらいまでクラシックギターを趣味として弾いていました。プロの演奏家に師事もしていました。何れは自分もスペインに留学して本場で学びたいと思いあがってもいたのです。
しかし、家族の大反対に遭い、夢は消えました。18歳の時です。しかし、その後も師について学んでいましたが、社会人になると、演奏する暇もなく、趣味としたクラシックギターとの付き合いは消えてしまいました。
しかし、ソロや合奏を通じて耳は鍛えられたようです。それが今でも役立っています。
その当時はアンドレス・セゴビアが神様でその下にジョン・ウィリアムス、ジュリアン・ブリ―ムがいました。
さらにナルシソ・イエペスがおりました。イエペスさんとは握手をさせて頂いてプロの鍛えた指の凄さに圧倒されました。セゴビアの晩年の日本での演奏会も行き、老齢化されたとはいえ、あの独特のセゴビアトーンを聴けた感動は今でも忘れません。
さらに当時はレコードで毎日練習をしながらも彼らの演奏を聴きこんでいました。
ギターはボディも共鳴してその振動が心地よく、さらに響きとしても美しく、身に沁みております。
さらに幸いなことに多くのギターに触れることも出来た幸運にも恵まれました。
レコードで聴いている音は、本物のようで左右のバランスが(ステレオカートリッジの問題もあり)異なることに驚いたこともあります。
しかし、CD時代になるとレコードで聴けていた音が聴けなくなり、大好きだったギター音楽をあまり聴かなくなってしまったのです。
それはあの本物のギターから生まれる響きが出ないからです。レコードでも怪しいのですが、それでも音としては楽しめました。
さて、今回のクリスタルチューニングは、どのようなギターを聴かせてくれるのでしょう?
トラック1を再生してみますと・・・・・・・・・
名器トーレスの音が、そこにあります!!! 部屋中に、名器の音が響き渡り、心地よく、まるで教会の中で演奏を聴いているような錯覚を覚えました。
そして、響きはギターそのもの! 音が飛んできます。 遠くまで届くを音を出せるようにと練習していたことを思い出させてくれました。 傍鳴りのような音ではなく。
さらに点音源としてギターの音が響きます。これまでのCD再生ですと音が生まれる時は点ではなく面で聴こえてしまっていました。それでリアルが失われて長時間聴くには耐えられなかったのでしょう。
自然とクラシックギター曲を聴く時間が少なくなっていました。
それが名手グランド―ナの見事なタッチが極上の音を聴かせてくれることになりました。
店主も音の出し方には、それなりの自負があったのですが、まさにクラシックギターの弦から生まれる音がそこにありました。
更に楽器がアントニオ・トーレスです。この楽器の魅力は独特でこの楽器が生まれてくれたからクラシックギターも隆盛をしたと言えるぐらいの魅力ある音色を持つ名器です。
その香りがリスニングルームに漂うのです!!
この漂う感じがこれまではありませんでした。それがそこに!
クラシックギター曲を味わる喜びが戻ってきたようです。レコード時代でも味わえなかったバランスを持って。
ここまで再生が出来るのであればと思い、高校生の頃にさんざん聴いたセゴビア大先生の演奏を聴くことにしました。
その感想は次回にします。