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DYNAUDIO The Special Fortyその28


エージングも終わりブンブンと快調に飛ばしたいThe Special Fortyですが、20世紀形式の箱を持つスピーカーの宿命があります。

それはエンクロージャーの振動です。バッフル面にスピーカーユニットが固定されている以上、必ず起きる宿命です。

その影響ですが、響きが多いように感じもしますが、各楽音はブレて乱視状態になって聴こえてきます。

ボーカルの口が大きいとか感じることもあると思います。

また音が前に飛んでこないことにもなりますね。

本当に優秀なスピーカーユニットを搭載しているThe Special Fortyですが、この宿命からは逃れらないようです。

そこで今日は熟成に向けての基本である、この箱ブレによる音楽の変調状態を解決することにしました。

↑の画像で確認できますが、スピーカーユニット(上側がツィター)の固定用ネジの頭にライフサウンドオリジナルチューニング素材を着けてあります。

これまでのチューニングには2重構造のものを使用しておりました。

The Special Fortyにも最初は2重構造のものを取り付けて様子をみました。

それですと、チューニング効果が強すぎて逆に響きが失われ過ぎて音楽表現が委縮してしまいました。適度な響きは必要ですね。

このThe Special Fortyはかなりデリケートであることが分かりました。

そこで新しいチューニング素材を作りました。これはThe Special Forty専用と言っても良いのかもしれません。

このチューニング作業に使ったディスクは↑です。

トラック8のINSPIRATIONです。

何で、この曲なのと思う方もおられると思います。

まずフラメンコ技法でギターが演奏されます。ラズゲアード奏法が多様されますし、さらにパーカジョンも出て来ます。

ギターの巻き線構造の低音弦も良く出て来ます。メロディーラインを弾くナイロン弦も出て来ますね。ギターの弦のうなりが正しく出ないと全く面白くありません。

ラズゲアード奏法では爪の表面を弦にぶつけるように演奏しますが、フォーカスが出ていないと迫力ある演奏には聴こえてきません。うるさいだけになります。

この曲はTVドラマ「鬼平犯科帳」のラストに流されていました。

二代目・中村吉右衛門が長谷川平蔵役を演じており、店主はこのドラマが大好きなので、この曲を選びました。

この曲が流れると江戸庶民の生活や桜が映されていました。そして、それは物語で起きた事件が無事解決して爽やかで平和な時間が江戸の町に戻ったことを表現していたと思います。そこに、この曲が流れていました。音楽のエネルギーが事件を解決した火つけ盗賊改方たちの尽力や平和の有難さを強く感じさせてくれていたものです。

店主はその光景が大好きでして、それを思い出させてくれる状態でなければ、意味がありませんので、この曲を選んでみました。

スピーカーユニット固定ネジ自体の鳴きもありますが、その固定された状態がバッフル面に影響を及ぼし、スピーカーユニットを不要に動かしてしまうことで、音像はブレを起こします。そうなると楽器の音が不鮮明であり、らしく鳴っていますが、音楽の感動が心に伝わらず、耳の疲れとなってしまうのです。

作業は、ウーハー固定ネジの1ヶ所から始めて次第に増やしていきますと、音が前に出て来てくれるようになります。以前よりトルクがありドスンと響いてくる音になります。音の実態がまるで違うのですね。

さらにウーハーのエネルギーはスピーカー背面にも及びます。

一番被害を受けるのがスピーカーターミナル部分ですね。

そこで、この部分のチューニングに入ります。

ここはこれまでの二重構造のチューニング素材を使用します。

九ヶ所チューニング行いました。

結果として後ろへ逃げていた低音が前にも出て来るようになりました。さらにスピーカーケブル端子が不要に揺さぶられなくなったことで、楽音正確に表現されてきました。

さらに、ツィター部分も順番に行っていくことで、よりギターの音やその他のすべての楽音のフォーカスが合って来て音楽が爽やかに心を刺激してくれます。

そして、長谷川平蔵以下の活躍で平和を取り戻した江戸の町の場の雰囲気がリスニングルームを満たしてくれて、店主の心も平和になってしまいました。

このディスクでは感動する状態になりましたが、以下ではどうなのでしょうね?

作品3-8では弦の不要な響きが姿を消して、以前よりさらに抜け良い弦楽を

聴かせてくれるようになりました。

切れ味が良いですね。ボーイングの切り替えしの時もメリハリが出て来ました。

トラック2でWynonnaの声にさらに表情が出て来ました。

トラック9でのTom Jonesの声の張が良いですね。さらに以前よりらしくなっています。

ここまで来るとやっと心が落ち着いて音楽に入り込めるようになるのですね。

この過程を知らない方は、「録音が甘い」「大した録音でない」とか言い出されるのですね。 大したことない録音程、良い録音が多いことあります。再生側が悪いと、逆にひどく聴こえてしまうようです。

この状態になってこそ、このスピーカーを熟成させていく基礎が出来たと言えるでしょう。微妙な音のブレも姿を消して、再生される音が純粋に鳴ってくることで音楽再生が真に楽しめるのですから。

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