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純粋

  • lifesound
  • 3月27日
  • 読了時間: 5分

ここ最近、明治時代に活躍してくれた家族のことを、深く知る機会がありました。その時代の人たちのお陰で日本は先の大戦以前は、独立国としての立場を保って来たと思っています。

そして、その人達の一人として家族がいてくれたことに感謝をしながら、その家族の一人のことを調べていました。24歳で旅順要塞攻撃の際に、敵陣の堡塁に一番乗り奮戦して、戦死したということは分かっていましたが、名前が分からないでいたのです。何しろ明治37年8月20日に亡くなっていて、その者を知る家族親戚も他界していて、調べる方向が分からないでいましたが、先週ある切っ掛けを通じて、全てが分かりました。

防衛省や総務省そして区役所などの担当の皆さんから様々なアドバイスを頂き、判明したのでした。


この事を通じて思い返すこがありました。25年前のことです。

それは、2000年にラスベガスのCESに行った時です。当時、良きアドバイザーであり、先輩的な存在であった神木社の皆さんに、当時、扱っていたケーブルを試聴して頂きました。

店主としては、それなりに自信がありました。

ビンテージ線材を使い、それなりに工夫をしていました。しかし、問題的もありました。

構造が複雑でケーブルとして取扱いが面倒で強度に不安があったのですが、その音質においては当時としては良かったと感じていたのです。

神木社の人たちにケーブルを渡したところ、「???」その外観にびっくりされていました。

そして、その評価は翌日となりました。


翌日、彼らの評価に対してワクワクしていました。それは当然「素晴らしい!!」と言う評価をされるだろうと予想しいたのです。

彼らもビンテージ線を使い、非常に簡易な姿の状態でケーブルを使っていたのです。

それよりは工夫もされていたの、こちらのケーブルの方が良いに決まっていると思っていたからです。


「お早う!如何でした?」と挨拶から始まったのですが、彼らの顔は極めて普通でした。

むしろ、軽蔑をしているような雰囲気で「・・・・」店主は少し動揺をしていました。

「これは使い物にならない。駄目だ!!!!」で彼らの評価が下りました。

「駄目!!??」とその言葉が頭の中をぐるぐると巡りました。

それ以外にゴミのように下された評価は、店主の思いを完全に打ち砕きました。

大変なショックを受けました。まさに戦死です。


現場で彼らの再生を聴いている店主は、その音の聴き込んでいると、一つの回答が出たように思いました。


それは楽器を演奏していたころのことです。

クラシックギターの巨匠であるアンドレス・セゴビアを始めジョン・ウィリアムス、ロメロファミリー、ブリーム、イエペスその他の演奏を聴いていて、アマチュアとの違い、2流の演奏家などとの音の違いを思い出しました。

特にセゴビアの音は凄く説得力が違いました。神の如くと言っても過言ではありません。

生で聴いた時の音は、それだけで様々な教えを与えてくれました。


その発せられる音は、無駄なく、エネルギー効率が良く、ホールの大きさに楽器が再現する音量的な問題があったとしても心に響いてくるのでした。


そのにあるのは立ち上がりが良く、純粋性の高い音でした。


店主が持ち込んだケーブルは音色は面白いのかもしれませんが、立ち上がりが甘く、純粋性に欠けるものであったと気付かされたのでした。


間違った方向へ行こうとしていた事を、彼らの厳しくも愛ある評価で見事に裁断されたのでした。

以前にもどこかで呟いたと思いますが「純粋」であることを基本にしてケーブルの開発に取り組んだのでした。

そして、現在、川越研究所の所長のMさんも、協力をしてくれると言って頂き、現在に至ります。

当初はビンテージ線に拘りました。WEが膨大な開発費を使い、開発をしてきたことなどの話を聞いていました。

さらに鍛造の仕方が違うこともあり、音の密度が違うこと、また色気がある事など、現在使われている多くの線材が忘れていること、あるいは出来ないことをしていたことで得られる音楽再生は、心を捉えてくれていました。

しかし、様々なアドバイスをWEの線材を使って見ると、それはそれなりに問題があることが分かってきました。

そして、テレフンケンだか何だったのか、正式なメーカー名は忘れてしまったのですが、ドイツのビンテージ線との比較試聴をした時、決定的なことが起きたのです。


WEはフォークギターやジャズに使用されるギターには、とても良い感じで再生してくれましたが、ドイツのビンテージ線が奏でるヴァイオリンなどのサウンドには全く敵わなかったのです。

全てWE色で染まり、ドイツのビンテージ線が聴かせてくれるようなヴァイオリンのもつ様々な音色の表現は出来なかったのです。

この事件が、WEの限界を教えてくれたのでした。


再生表現の限界を教えられた事件でした。以来、WEやドイツのビンテージ線に変わる素材を探しまくりました。

かなり中立的で良い感じのものも見つけました。線材製作メーカーに特注で素材を作ってもらいました。しかし、鍛造方法が異なるので、あの密度あるサウンドには、遠いところもありました。何も知らなければ許されるレベルであったのは事実です。

そんな中、川越研究所のM所長がヨーロッパで特殊なベルデン素材を見つけてくれました。

そして、テストをしてみました。思ったより効果があり、特注で作った素材を上回る結果を出してくれました。


それで新しいケーブルが誕生したのです。しかし、不思議なことがあり、M所長に神がかり的なことがおきました。


↓SUPERNATURAL「極」RCA&スピーカーケーブル

続きは次回へ

 
 
 

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