基礎中の基礎と考えていること
- lifesound
- 22 時間前
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はじまりは「CDの消磁」から
現在ではCDやレコード専用の消磁器も市販されていますが、店主が消磁を試み始めた頃は、そのような製品はありませんでした。
そこで最初に用いたのは、カセットデッキやオープンリールデッキのヘッドを消磁するための「ヘッドイレーサー」です。(6月25日の必需品で呟いています。)
ディスクをゆっくり回転させながらヘッドイレーサーを近づけ、徐々に距離を取りながら離していくという方法で試したところ、音の変化を確認することができました。
当時は「CDを消磁する」という発想自体がほとんど知られておらず、まさに手探りでの試行錯誤でした。しかし、この経験が後にライフサウンドにおける帯電・帯磁への取り組みの原点となっています。
私たちが最初に着目したのは、CD(コンパクトディスク)の消磁でした。
プラスチックとアルミニウムで構成されたCDに、なぜ消磁が効果を示すのか――当時も現在も、そのすべてが解明されているわけではありません。
しかし、当時、日本の紙幣印刷に携わっていた方から、赤色系をはじめとする印刷インクには鉄系の顔料が用いられる場合があるという興味深いお話を伺いました。その方はこれが帯磁の原因の一つと考えておられました。
そのことから、CDのレーベル面に印刷されたインクも、消磁と無関係ではないのではないかと考えるようになりました。
もちろん、それだけが音質変化の理由とは考えていません。記録層や蒸着膜、帯電など、さまざまな要因が複合的に関係している可能性があります。

↑あの時代からかなり進化した結果がここにあります。
いずれにしても、実際にCDを消磁すると、デジタル特有の硬さや刺激感が和らぎ、音楽の流れが自然になり、空間の広がりや奥行きがより感じられるようになりました。理論よりも先に、耳がその変化を教えてくれたのです。
この経験をきっかけに、私たちはレコード盤への消磁にも取り組むようになりました。
レコード盤の主成分である塩化ビニル自体は磁性体ではありません。
そのため、「なぜ消磁で音が変わるのか」という問いに対して、現在でも完全に解明された答えがあるわけではありません。製造工程で混入する微量な磁性成分や、再生時にカートリッジの磁界から受ける影響など、いくつかの可能性が考えられていますが、決定的なメカニズムは明らかになっていません。

しかし実際には、レコード盤を消磁すると背景の静けさが増し、音像が明瞭になり、空間表現が自然になることを何度も確認してきました。
また、店主はレコード盤だけでなく、MMカートリッジの交換針ユニットについても消磁を試しています。
なお、消磁を行うのは交換針ユニットのみです。永久磁石を利用した発電構造を持つMMカートリッジ本体については、店主は消磁を行っておらず、お勧めもしておりません。
一方、交換針ユニットについては、自身の環境で消磁による音の変化を確認しています。
ただし、これは店主自身の経験によるものであり、すべてのカートリッジで同様の結果が得られることを保証するものではありません。
ライフサウンドでは、理論だけで結論を急ぐのではなく、まず耳で確認できた現象を大切にしています。そして、その理由を一つひとつ考え、検証し続けることが、音楽再生をより深く理解することにつながると考えています。
理論は大切です。しかし、理論だけでは説明しきれない現象があることも、長年オーディオに携わる中で数多く経験してきました。
耳で確認できた現象を一つひとつ積み重ねながらシステム全体を磨き上げていくこと。それこそが、音楽再生の感動をより深める道であり、オーディオという趣味の奥深さなのだと店主は考えています。
理論的に説明できないものは信じられない、とお考えになる方もいらっしゃると思います。それも一つの考え方でしょう。
しかし、オーディオの世界では、耳が先に変化を教え、その後から理由が明らかになっていく現象も少なくありません。消磁についても、長年にわたり多くのオーディオ愛好家が音の変化を体験してきました。
もし「音楽をもっと豊かに楽しみたい」というお気持ちがあるのでしたら、まずは先入観を持たずに、ご自身の耳で試してみていただきたいと思います。
そして、もし消磁を試しても効果が分かりにくいと感じられたなら、それは決して無意味だったということではありません。
店主の経験では、そのような場合、システムのどこかに音楽の情報を十分に伝え切れていないボトルネックが存在していることが少なくありません。特にケーブルの構造やスピーカー内部配線は、微細な音の変化を左右する重要な要素です。そこに改善の余地があると、消磁によって引き出された情報が十分に再現されないことがあります。(後は電源ケーブルです。これは一番の問題を起こしています。)
ライフサウンドでは、消磁を単独のアクセサリーとして考えるのではなく、システム全体を見直すための一つのきっかけと考えています。その積み重ねが、より自然で感動深い音楽再生へとつながっていくと信じています。

↑価格はちょっと高いですが、超おすすめです!
最後に、店主自身が一番驚いた体験をお伝えしたいと思います。
それは、レコード盤を初めて消磁して再生したときのことです。
正直なところ、「本当に変化するのだろうか」という半信半疑の気持ちがありました。
しかし、再生が始まった瞬間、その思いは消えました。
目の前に広がったのは、それまでとは明らかに違う、いきいきとした音楽の世界でした。音楽がよりフレッシュに、生き生きと息づいて聴こえてきたのです。
その瞬間は、「なぜだろう」「理論的にはどう説明できるのだろう」などと考えている余裕はありませんでした。ただ目の前で奏でられる一音一音、その響きや余韻を夢中で味わっていました。
オーディオは理論を探求する楽しさもあります。しかし、その先にある本当の目的は、音楽に感動することではないでしょうか。もし、この文章を読んで少しでも興味を持たれたなら、ぜひ一度、ご自身の耳で体験してみてください。
理論を否定するのではなく、その先にある現実の音楽に耳を傾けたとき、より自然に再生された音楽とともに、理論に縛られていた心までも解き放たれるような、新しい発見が待っているかもしれません。



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