340i
久しぶりにSIMAUDIOの340iを鳴らしています。これは貸出をしてもらっているのですが、先回よりエージングが進んでいて、かなりスムーズに音が鳴ってくれます。
以前よりも全体のバランスも良くなっていますね。先回は低音がちょっと強調された感じで、音が太く感じたのですが、現在は丁度良いバランスになっていますね。340iの美点は音の一つ一つのクオリティが高いこと、それは濁りを感じせず、滑らかです。さらに低音が芯のある良い意味での硬さがありながら伸びやかです。
電源を入れた当初はサンウンドステージが狹い感じがあるのですが、時間とともにサウンドステージは広がってくれますね。
さて、最近のオーディオ業界は静かな感じです。カメラの世界もスマートフォンの撮影機能のお蔭でコンパクトデジタルカメラの売れ行きが悪いそうです。音の世界ではスマートフォンの音は昔で言えばポータブルラジオというか競馬放送聴いているおっさんたちがイヤフォンで聴いていた手のひらぐらいのラジオを思い出します。
スマートフォンは低音が出ないので音としてはつまらないのですが、現代の若者には受けているようです。
低音域だけでなく高音域も酷いものですけど。
そして、ある輸入業者の方からお話を伺ったのですが、それによるとYouTubeをデモで聴かせると、「すごいですね!!」と若い人から評価を頂けるのですよと言われていました。しかし、それは大変残念そうな表情でした。
店主も最近、パソコンからDACへ情報を飛ばして音を聴いておりますが、「不完全燃焼」になることもあります。
それは音源の質が悪いからだと思います。
YouTubeで「We ARE The World」をパソコンを通じてオーディオへ通信して聴いてみました。
この曲はアナログでも良く聴いていたのですが。驚くほど音質が悪いものでした。それでCDを購入して聴き直すと、これなら聴けるということになりました。
今の時代は情報が多いのですが、それを受け取る側に、質の選択がされ難い状態になっているのだと思います。
音楽は音が美しく無ければ面白くありません。店主の娘も昔からハイエンドな音を聴かせていましたので、スマートフォンの音の悪さは良く知っているようですが、利便性があるので使っています。それを聴いてみるとシャカシャカした音で、苦痛になるような感じです。これは昔のポータブルラジオより悪い音ですね。
さらにヘッドフォンやイヤフォンで、この質の悪い音を長時間聴いていれば、耳を悪するものです。
現代は音に美を求めず情報だけを受け取っているだけなのかと愕然とさせられます。
若い人の良い耳が、低レベルな音質の音に侵されている。こんな悲しい現実があることに心が痛むこの頃です。