店主の感想
- lifesound
- 5 時間前
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今回の山﨑さんと杉林さんの演奏を聴いて、 店主としてもどうしても感想を呟いてみたくなりました。 あまり大げさなことは言いたくないのですが、 この演奏は本当に貴重な記録だと思っています。
とくにライフサウンドユーザーの皆さんであれば、 ケーブルや内部配線材の意味、 そしてライフサウンドチューニングが “音の本質をどう引き出すか”をご存知だから、 私の驚きや感動が決して誇張ではないことを きっと理解していただけると思っています。
そんな気持ちを抱えながら、 呟いてみたいと思います。

フランティシェック・オンジーシェク(バルカローレ)の音楽を聴いていると── といっても、私が知っているのは山﨑さんの演奏を通してだけなのですが── 最初は、心がそっと、その音に寄り添うように感じる。
チェコに行ったこともないし、 ボヘミアの空気を本当に知っているわけでもない。 それでも、山﨑さんがオンジーシェクを弾くと、 フレーズがふっと沈むところや、 和声が少し曇るように聞こえる瞬間、 リズムが跳ねずに揺れる感じ、 語りかけるように立ち上がる旋律── そういう細部に触れているうちに、 心に寄り添っていたはずの音が、 いつのまにか身体の内側にまで入り込んでくる。
胸の奥がゆっくりと温まるような、 お腹のあたりがふっと重くなるような、 背中の筋肉が自然に緩むような、 そんな“身体の反応”が先に立ち上がってくる。
説明されたわけでも、 “ボヘミアとはこういうものだ”と教えられたわけでもないのに、 身体が、その空気を受け取ってしまう。
そして、その身体の反応が静かに深まっていくと、 さらに奥のほう── 魂がふっと震える瞬間が訪れる。
山﨑さんのヴァイオリンが運んでくるのは、 ボヘミアの空気だけではない。 陽の光の柔らかさや、 モルダウの流れがゆっくり揺れるときの息吹まで その音の中にふっと混ざっている。
とくにオンジーシェクのバルカローレでは、 舟が水面を滑るときの静かな上下のリズム、 水に反射する光の揺らぎが、 そのまま音になって漂ってくる。
その水の揺れを、 杉林岳さんのピアノが、 ウィーンの街に流れるドナウの静かな空気の上で そっと受け止めている。 古典派の語法を深く理解した杉林さんの音の置き方が、 舟歌の揺れに、 ウィーンという土地の落ち着いた呼吸 を与えてくれる。
まるで、 ボヘミアを流れるモルダウの水が、 本来つながるはずのないウィーンの街路へ 静かに流れ込んでいく。 そんな光景が音の中にふっと立ち上がり、 気がつくと店主の心の中に そのまま映像として描かれてしまう。
山﨑さんのヴァイオリンが、ボヘミアの風を運び、 杉林さんのピアノがウィーンの風をそっと自然にもたらしてくれる。 その二つが重なることで、 オンジーシェクの音楽は、 ただ“チェコの音”としてではなく 中欧という大きな呼吸の中に置かれて、店主である私の魂に美しい波紋がそっと広がっていきました。



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