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音楽再生におけるサブウーファーの選択

lifesound
4 日前
読了時間: 5分

― TD316SWMK2が魅せる真価 ―


オーディオにおけるサブウーファーの役割について、日頃から様々なご質問やご相談をいただきます。

大口径・大出力のフラッグシップモデルが持つ圧倒的なエネルギー感や、広い空間での再生能力は、確かに魅力的です。


しかし、ライフサウンドが純粋な音楽再生を目的として、一般家庭にお勧めしたいサブウーファーの一つが、ECLIPSEの TD316SWMK2 です。





AV(映画)と音楽再生で求められる低域の違い


まず整理しておきたいのは、映画鑑賞(AV)と音楽再生(ステレオオーディオ)では、サブウーファーに求められるものが異なるということです。


AV用途では、地鳴りや爆発音など、身体に直接響くような圧倒的な音圧や量感が求められます。この目的であれば、大型・大出力モデルの持つ能力が大きな魅力となります。


一方、音楽再生では、単に低音を強く出すことが目的ではありません。

メインスピーカーの表現力やスピード感を損なわず、アコースティック楽器のボディ感や演奏空間の広がりを、いかに自然に支えられるかが重要になります。


サブウーファーの存在を意識させるのではなく、メインスピーカーと一体となって音楽を奏でること。それが、音楽再生において大切な条件だと考えています。


TD316SWMK2をお勧めする理由


TD316SWMK2は、16cmコーン型ウーファーを2基配置した、水平背面対向式フロア型の密閉型サブウーファーです。


主な仕様は次のとおりです。

  • 再生周波数帯域:30~200Hz(-10dB)

  • 定格出力:125W

  • 価格:132,000円(税込)

コンパクトな筐体ながら、30Hzからの再生能力を備えています。


また、16cmユニットを2基使用した水平背面対向式という構造にも注目したいところです。

2基のユニットを向かい合わせることで、振動によるキャビネットへの反作用を抑える効果が期待できます。密閉型であることも含め、音楽再生に求められる低域の自然な収まりを考えた設計といえます。


サブウーファーは、低い周波数が出ればそれで良いというものではありません。

低音の立ち上がりや収まり、そしてメインスピーカーとのつながりが、音楽全体の印象を大きく左右します。

TD316SWMK2には、そうした音楽再生における低域の扱いやすさという魅力があります。


TD712zMK2との組み合わせで見えた世界


実際にTD712zMK2(12cmフルレンジ)と組み合わせてみると、そのハイスピードな再生にも自然に追従し、低域の存在を意識させないほど違和感なく溶け込みます。


その結果、低域が過剰に主張することなく、ピアノやチェロのリアルなボディ感、さらにはパイプオルガンやオーケストラの豊かな空気感が広がります。


聴き手には、とても12cm口径のスピーカーとは思えないスケール感と描写力が立ち現れます。


これは単に低音が増えたということではありません。

メインスピーカーが持っている本来の魅力を活かしながら、そこだけでは補いきれない低域を自然に支えることで、音楽全体の表現力が広がるということです。


再生空間とサブウーファーの関係


サブウーファーを選ぶ際には、ユニットの口径や出力だけでなく、それを設置する部屋の広さや空間とのバランスも考える必要があります。


日本の一般的な住宅では、10畳前後のリスニングルームやリビングも珍しくありません。

そうした環境では、過剰な低音エネルギーが部屋の定在波やブーミングを引き起こし、かえって音楽を聴きにくくしてしまうこともあります。


もちろん、小型のサブウーファーであれば、そうした問題がなくなるわけではありません。設置位置や音量、メインスピーカーとのバランスなど、適切な調整は必要です。


実は、私自身も以前から再生空間について考えてきました。

自宅を建設する際には、天井高を2.7mから3mにできないかとハウスメーカーに相談したことがあります。しかし、2階部分では難しいとのことで、1階なら2.7mにできると説明されました。結局、その計画は断念しました。

それほど、音楽を再生する空間の広さや天井高というものを大切に考えていたのです。

(ライフサウンドの試聴室は、18.5畳から24.5畳ありますが。)


以前、TD725SWを試聴させていただく機会がありました。パイプオルガンの再生は実に素晴らしいものでしたが、その一方で、一般的な再生空間の天井高や容積には限界があることも実感しました。


大型サブウーファーが持つ本来の能力は、機器単体で完結するものではありません。それを受け止めきれる空間があってこそ、その魅力が活きてくるのです。


さらに、もう一つ極めて大きな問題があります。それは**「重量」**です。

TD725SWは単体で約42.5kg、梱包状態では約50kgにも達します。とても一人で運べる重さではありません。当時、メーカーの担当者の方と「ヒイヒイ」と言いながら設置した、苦い(?)思い出があります。


こうした搬入・設置の現実的な負担や、一般家庭における空間とのバランスも考慮し、ライフサウンドではTD725SWおよびTD725SWMK2について、製品をご紹介することはあっても、実際の販売は行ってまいりませんでした。


また、以前メーカーの担当エンジニアの方とお話しした際にも、

「一般家庭で使用するのであれば、TD316SWMK2で十分ですよ」

というお話を伺ったことがあります。

製品を知り尽くした技術者の言葉として、私自身も印象に残っています。

もちろん、再生する音楽や部屋の広さ、求める音の方向性によって選択は変わります。

しかし、一般家庭で音楽を楽しむという目的に立ち返れば、必ずしも大きなサブウーファーが必要というわけではないのです。


最後に


サブウーファーを選ぶ際、どうしても口径の大きさや出力、再生周波数の低さに目が向きがちです。

しかし、私が大切にしたいのは、そうした数値の競争ではありません。


メインスピーカーの持ち味を活かし、音楽をいかに自然に聴かせるか。そして、再生する空間に無理なく調和させることです。


その視点に立ったとき、TD316SWMK2は、一般家庭における音楽再生用サブウーファーとして、非常に魅力的な選択肢だと考えています。


もちろん、AV用途としては、低音の量感や迫力という点で、物足りなさを感じられる方もいらっしゃると思います。


しかし、ライフサウンドは音楽再生を専門とするオーディオショップです。

今回のご紹介は、あくまでも純粋な音楽再生という観点からの選択です。どうぞ、その点をご理解いただければと思います。





 
 
 

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2件のコメント


01
2日前

サブウーファーの記事が出たので嬉しくなっています。今後のチューニング開発に期待します。TD725SWMK2は確かに重いですが、エアジャッキなどを使えば、エボニーパッドを敷くことも簡単にできますし、移動もできます。なので、絶望的な重量とまでは言えないかなと思います。現状、RA6000とTD725SWMK2とはRCA極で接続しているので、立ち上がり立ち下がりは十分ですが、チューニングすれば、さらなる音楽性が生み出されることは分かっていますので、期待せざるを得ないところです。

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mimakanusi
2日前
返信先

ご期待頂きありがとうございます。

階段の上がり下がりが有ること。また、費用的にもこれまでのウーファーの金額では不可能なこと。ライフサウンドのリスニングルーム以外では作業が出来ないので、この大型ウファーのために、これまでのセッティング状態を一旦、全て移動しなければなりません。

そのために作業時間中は一般営業が出来ません。そのための費用も含めると、かなり高額になると思います。ですので大変残念ですが、夢として思い続けて頂きたと思います。

編集済み
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